vol.36

2024.08.07

大塚 史也さん 【地域おこし協力隊】

逆境にこそ挑め! 投げ出さずコツコツと

逆境に燃えるタイプ

真っ黒に日焼けした爽やかな笑顔が印象的な大塚史也さん。イメージ違わず、かつてはスポーツ少年だったらしい。とくに打ち込んだのは野球。高校を卒業して就職するまで、白球を追いかける青春を送った。

大塚さんは、「難しいことにこそ挑戦したくなるタイプかも」と自己分析する。野球はもとより、受験にしろ、就職活動にしろ、「難しいんじゃないか」という周囲のやんわりとした制止などなんのその。「やると決めたからには、やる」。自分で決めて、一つひとつ行動と結果を積み重ねてきた。20代半ばで、こんな地道な努力ができる胆力を備えているなんて、驚くべきことだ。

農業と大切な思い出

そんな大塚さんが次なる挑戦相手とするのは、農業。大手電子機器企業の製造部門から、まったく異なる分野への転換ということになる。いくつかの要因が重なっての転職ではあるが、もっとも大きな要因は大切な思い出にある。

聞けば、大塚さんはほんの幼いころから農に親しんで育ったという。なかでも、曾祖父母といっしょに家庭菜園をしたり、お土産にとおいしい野菜を持たせてもらったりしていたことが、「すごく楽しかったな~って」。いつしか忘れてしまっていた気持ちを取り戻した大塚さん。農家になるという目標を掲げ、地域おこし協力隊として進みはじめた。

食の〝つくりて〞として

「植物が『動く』様子が、おもしろいんです!」と、農業の魅力を語る大塚さん。茎や葉を理想の状態に近づけるために手を入れれば、植物が応えてくれる。そんなところに、奥深さを覚えている。

加えて、こうも話す。「なにが起こるかわからない時代。みんなで生きていくための環境を、農業を通して構築できないかなって考えるんです…。うまく言えないけど」。

農家になる。その目標へ近づくほど、遥か先の「目的」の輪郭が、はっきりしてくるに違いない。そこに見えてくるものがどんな形をしているのか、とても楽しみに思う。

【写真説明】
1. 初めての家庭菜園で収穫したダイコン。
2. 南阿蘇村で畑を借り、チンゲンサイ、カブ、キャベツ、白菜、春菊…など、いろいろ育ててみているそう。
3. 研修先の農家でミニトマトを収穫。

インタビューしてみての感想

地域おこし協力隊ヒトコト録(2024年3月発行)より転載。

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