vol.38

2024.08.07

板楠 知沙さん 【地域おこし協力隊】

楽しいと思えるいまを、重ねていきたい

思い出の場所で再スタート

東京生活5年を経ても、板楠知沙さんのなかで、南阿蘇村の風景は色あせることはなかった。「小さいころから家族で遊びに来ていた場所。なんとなく、『いいな』っていう印象がずっと残っていました」。コロナ禍を経て、仕事はほぼ在宅勤務にシフト。「東京にいる意味、ないな」と感じたのが潮時。以前から興味を持っていた地域おこし協力隊として、南阿蘇へ移住することに。父が近隣地域の行政職員ということもあってだろうか。「地域に関わる仕事がしたいという思いは、どこかにあった」と話す。

観光を通して知る地域

プロジェクト業務は観光。観光案内からイベント企画、事業者対応まで幅広い。「自然豊かで、飲食店や観光スポットがたくさんある。おもしろい事業者さんもいっぱい。楽しい田舎だなって感じます」。旅好きで、地域それぞれの魅力をキャッチするのが得意な板楠さん。人から教わったり、自分で見たりして、村の魅力ポイントを勉強中だ。

「まだ自信を持って案内はできないんですけど、サイクリングから帰ってきたお客さんに『楽しかった!』と言ってもらえるのがうれしい」。いずれは、板楠さん目線のおすすめ観光ルートを聞ける日がくることだろう。

培ったスキルを活かして

板楠さんは、写真や絵が好き。テレビ局のADや記者、動画編集といったクリエイティブ職の経験を持つ。それらのスキルを活かし、観光案内ボードに絵を描いたり観光客へのインフォメーションポップを制作したりと、活躍中だ。思い入れ深い仕事のひとつとして話してくれたのが、道の駅の敷地内を四季折々の花で彩る企画「Floworgarden in Minamiaso」。フォトスポットを設置して、訪れた人に写真撮影を楽しんでもらおうというもの。板楠さんは、メインの案内看板を制作した。

10月。透き通った秋晴れの空の下には、満開のコスモスと夢中で写真を撮る人々の笑顔があった。

【写真説明】
1.板楠さんの手描き感がかわいい、観光案内ボード。
2.受付で観光案内業務中の板楠さん。
3.道の駅で夜市を開催。垂れ幕づくりと、子ども向けの出店を担当。
4.秋に実施したイベントでは、道の駅に新しいフォトスポットを設置。

インタビューしてみての感想

地域おこし協力隊ヒトコト録(2024年3月発行)より転載。

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