田内 秀樹さん
やったことないけど、やっちゃえ! 人生テーマは、あくなき挑戦。全国や世界を見て、改めて気づいたふるさとのポテンシャルとは。
田内 秀樹さん
地域おこし協力隊(産業観光課所属)/地域経営組織推進プロジェクト
熊本県熊本市出身。阿蘇への移住を考えていた頃、当時現役の隊員に誘われる形で2020年2月着任。2023年1月末退任。「協力隊をしながら生業を作るのはかなり大変ですが、やってよかった。地域の人とつながれるのが一番うれしい」。
トライ&エラーで前に進む
目標を立て、必要なことを学び、スケジュールを切る。行動しては軌道修正し、ときには別の道を模索する。そうして一歩ずつ着実に、目指す方向へ。
必要なこととわかっていても、実践は容易いことではない。でも、田内秀樹さんはそれをやってしまう。「いや~大変」なんて頭をかきながら、地域おこし協力隊として観光局の仕事を回し、妻と共にタイ料理店を切り盛りしてきた。そしていまは退任を見据え、ゲストハウスのオープンに向けた動きが本格化しているところ。
いつ会っても、「いまはこんなことをやっている」と、新しいステップについて話してくれる田内さん。想像するよりずっと大変なのだろうけれど、いつもニコニコして「これから」を語る姿に、なんだか勇気をもらえる。
その挑戦魂は、前職での経験によって培われてきたもののようだ。「もともとは技術屋さんなんです」。設備開発・機械設計のエンジニア歴は、かれこれ25年。「考え方次第でいろいろな工夫ができる。挑戦して、失敗して、調整して、また挑戦。それが楽しかった。分野は違うけど、いまやっていることにも通ずるものがあります」。
人と人がふれあえる場を
あたりまえに眺めていたふるさと熊本県の景色に違う印象を抱くようになったのは、仕事の都合でタイと熊本を行き来するようになってから。一時帰国の度、飛行機から阿蘇の山並みを見渡して、そのダイナミックさに心を揺さぶられた。「阿蘇には世界に通用するポテンシャルがある!」 長年のエンジニア生活を経て、「現場で人と接することが好き。いままでは計算がメインだったけれど、芸術的で感情的なことにより心が惹かれる」ことにも気づいていた田内さん。人とふれあえる場、楽しいアイデアが生まれる場を自らの手でつくろうと決め、妻を伴って帰国した。その表現の場が、地域の人に向けてタイの魅力を発信する飲食店であり、海外に向けて阿蘇の魅力を発信する宿というわけ。
「もちろん、やったことはありませんよ。ないならつくってしまおう、できるだけ自分でやってしまおうという感覚は、やっぱり技術屋的思考かな」。DIYにも初挑戦し、必要だからと電気工事士の資格まで取得してしまうのだから、驚かされる。開店1年を迎えたタイ料理の店は「本格的な味を楽しめる」と、地元民にも旅行客にも評判だ。
2023年1月末をもって協力隊の任期を終え、いよいよここからが本番。南阿蘇で積み重ねた時間を携えて、新たなステージへ踏み出す田内さんがいる。
【写真CAP】
1.協力隊として企画した、やまめのつかみ取りイベント。
2~4.タイ料理の店、アロイジャン。壁紙はタイから取り寄せるなどし、異国情緒が漂う。店舗隣の古民家を改装してゲストハウスにする予定だ。
インタビューしてみての感想
地域おこし協力隊ヒトコト録(2023年2月発行)より転載。このインタビューをシェア!